内申点は3観点で決まり、テストはその一部。部活生が落としがちな提出物の重要性と、点だけでは内申が取れない理由を進路指導の視点から解説します。

「点は取れているのに、内申が伸びない」

「テストの点は悪くないんです。なのに通知表の数字が思ったより低くて、本人も納得いかない様子で」

中学生の保護者面談で、本当によく伺う相談です。お子さんも親御さんも「点を取れば評価される」と信じて頑張っているのに、その努力が数字に反映されない。これはとても歯がゆい状況だと思います。

ですが、原因ははっきりしていることが多いのです。それは、内申点(評定)が「テストの点だけ」で決まるものではないから。今回は、そもそも内申点が何で決まるのかを正しく押さえたうえで、部活で忙しい選手が見落としがちな「提出物」の話をしていきます。

評定は「3つの観点」で決まる

まず、いちばん大事な前提を共有します。現在の中学校の通知表の評定は、3つの観点を総合して決まります。

  1. 知識・技能:基礎的な知識を身につけ、使えるか
  2. 思考・判断・表現:知識を使って考え、表現できるか
  3. 主体的に学習に取り組む態度:提出物・授業への取り組みなど、学びに向かう姿勢

定期テストの点数は、主に1つ目と2つ目に関わります。つまり、テストは評定を決める材料の「一部」であって、すべてではないのです。

ここを「テストの点さえ取れば評定は上がる」と誤解していると、3つ目の観点でつまずいたときに、原因が分からないまま数字だけが伸び悩むことになります。逆に言えば、この3観点の仕組みを知っておくだけで、何を改善すればよいかが見えてきます。

ここからは、特に部活生が落としやすいポイントを3つ整理します。

ポイント1:評定は3観点で決まり、テストはその一部

繰り返しになりますが、これが出発点です。

「うちの子はテストはできるのに評定が低い」というとき、テスト以外の部分、とりわけ**提出物や授業態度といった「主体的に学習に取り組む態度」**で点を取りこぼしている可能性が高い、ということになります。

ここで誤解してほしくないのは、「では提出物だけ出せば評定が決まる」という話ではないということです。**3つの観点はそれぞれ大切で、どれか1つでは決まりません。**テストも、提出物も、授業での取り組みも、すべてが揃って初めて高い評定につながります。だからこそ、テストで頑張っている選手は、残りの観点を整えるだけで評定がぐっと伸びる余地を持っているのです。

ポイント2:提出物は「期限内に空欄なく出すだけ」——なのに落としやすい

2つ目が、今回いちばんお伝えしたい部分です。

提出物で評価される基本は、実はとてもシンプルです。期限内に、空欄を作らず、丁寧に出す——大きく言えばこれだけ。難しい応用問題が解ける必要も、特別な才能も要りません。やればできる、誰にでも届く範囲の話です。

ところが、部活で忙しい選手ほど、この「誰でもできること」を落としがちなのです。理由は明白で、平日は練習で帰宅が遅く、課題に手をつける前に力尽きてしまう。週末は試合や遠征で時間が取れない。気づけば提出期限が過ぎていた、あるいは半分空欄のまま出してしまった——こうしたことが積み重なります。

ここに、大きなチャンスがあります。誰でもできることだからこそ、きちんとやれば確実に差がつくのです。応用問題で1点を絞り出すより、提出物を期限内に空欄なく出すほうが、はるかに取り組みやすく、評価にも直結します。部活で身につけた「やると決めたことをやり切る力」は、ここでこそ活きます。

具体的には、次のような工夫が有効です。

  • 提出物リストを1枚にまとめる:教科ごとの課題と締切を一覧にして、見える場所に貼る
  • 遠征・試合の前後にバッファを置く:忙しい週末を見越して、平日のうちに前倒しで進める
  • 「空欄ゼロ」を最低ラインにする:完璧でなくてよいので、まず埋めて出す

ポイント3:テストが良くても、提出物や態度が抜けると評定は上がらない

3つ目は、ポイント1の裏返しです。

どれだけテストで高得点を取っても、提出物が出ていなかったり、授業への取り組みが評価されなかったりすると、その教科の評定は思ったほど上がりません。3観点の総合で決まる以上、1つの観点が大きく欠けると、全体が引き下げられてしまうからです。

これは、頑張っている選手ほど納得しづらい現実かもしれません。「あれだけテスト勉強したのに」という気持ちは、痛いほど分かります。けれど見方を変えれば、伸びしろがそこにあるということでもあります。テストですでに力を示せているなら、抜けていた観点を埋めるだけで、評定は素直に上がっていきます。

点だけでは、内申は取れない

3つのポイントを振り返ります。

  1. 評定は3観点で決まり、テストはその一部にすぎない
  2. 提出物は期限内に空欄なく出すだけ——誰でもできるからこそ、忙しい部活生は落としがちで差がつく
  3. テストが良くても、提出物や授業態度が抜けると評定は上がらない

伝えたいことはシンプルです。**点だけでは内申は取れない。**けれどこれは悲観する話ではなく、むしろ朗報だと考えています。なぜなら、提出物を整えるという「やればできること」に、評定を伸ばす確かな余地が残されているからです。

部活で忙しい選手こそ、限られた時間の中で「確実に評価される行動」に力を注ぐのが賢い戦略です。難問演習より先に、まず提出物の管理から——これが、最短で内申を底上げする道だと、現場の経験から感じています。

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STUDY ATHLETE 編集部
STUDY ATHLETE は学生アスリート専門のオンライン個別指導です。代表は早稲田大学教育学部卒業、大手予備校で500名以上の進路指導を経験。