部活や遠征で移動の多い中高生アスリートに向け、車送迎・電車通学それぞれの移動時間を勉強に活かす具体的な方法を紹介します。

移動時間を勉強に使いたい、でも続かない

週に何日も練習があり、帰宅が夜になる日が続く。 そうした生活の中で、「移動中くらいは勉強に使えないか」と感じる保護者は少なくありません。 移動時間の勉強は、うまくはまれば毎日の積み重ねになります。 ただ、やり方が合っていないと、なんとなく過ごして終わることの方が多いのが実態です。

この記事では、移動時間の勉強が続かない理由を整理したうえで、車送迎・電車通学それぞれの環境に合わせた具体的な活用法をお伝えします。

なぜ「移動中の勉強」は続きにくいのか

移動中に勉強しようとしても、なかなか習慣にならない理由はいくつかあります。

もっとも多いのは、「何をするかを事前に決めていない」ことです。 バスに乗って「さあ勉強しよう」と思っても、何をすればいいか迷っているうちに到着してしまう。 この「迷う時間」が、移動中の勉強を形骸化させます。

次に、「環境と教材が噛み合っていない」という問題があります。 電車の中でノートを広げようとしても混んでいて開けない。 車の中で参考書を読もうとして目が疲れる。 こうした「やりにくさ」が積み重なると、次第に「移動中は休もう」という選択肢に傾きます。

さらに、部活後の疲労も無視できません。 練習後の脳と身体は、新しいことをインプットするには向いていない状態のことが多いです。 無理に重い内容に取り組もうとしても、定着しにくい傾向があります。

アスリートの家庭でよく起きるのが、「帰り道は疲れているから復習できない、翌朝は眠いから出来ない、結局移動時間は無駄になる」というサイクルです。 このサイクルを崩すには、内容や量より先に、移動中にできる「形式」を変えることが重要です。

車送迎の場合の活用法

① 音声教材で「耳から覚える」時間にする

車内は、音声学習に適した環境です。 画面を見る必要がなく、英語のリスニング音源や暗記用の読み上げ音声を流すだけで学習になります。

英検の試験ではリスニング問題が出題されます。 移動時間に音源を繰り返し聞いておくことは、試験対策として取り組みやすい方法のひとつです。

市販の教材には音声データが付属しているものが多く、スマートフォンで再生できます。 英単語の読み上げ音声を流しておくだけでも、「聞いたことのある音」として記憶に入りやすくなります。

往路(朝の送り)と復路(練習後の迎え)とで使う教材を変えるのも有効です。 朝は新しい単元の音源を流す、帰りは繰り返しの復習音源にする。 こうした切り替えで、無理なく続けやすくなります。

② 保護者との「1問1答」を習慣にする

車での送迎中、保護者が出題者になるスタイルも取り入れやすいです。 「今日、英語で何か覚えた?」「漢字テストに出るやつを1個言ってみて」といった軽いやりとりで十分です。

指導の経験上、人に説明できるかどうかで理解の定着度がかなり変わります。 声に出して答えることで、黙って読むよりも記憶の整理につながりやすくなります。

ただし、保護者が「採点者」にならないよう気をつけてください。 正解かどうかより、声に出す習慣を作ることが目的です。 間違えても「そうか、じゃあ何だったかな」くらいの雰囲気で続けると、子どもも話しやすくなります。

電車・バス通学の場合の活用法

③ 座れる区間と立つ区間を分けて考える

電車やバスでの通学は、同じ路線でも「座れる区間」と「立つことが多い区間」に分かれることがあります。 この違いを意識するだけで、使い方の設計がしやすくなります。

座れる区間では、単語帳や参考書の見開き1ページ程度を開く。 立っている区間では、スマートフォンの暗記アプリを使う。 こうした「区間ごとのルール」を先に決めておくと、乗り込んだ時に迷う時間がなくなります。

所要時間が10分以内であれば、「1つのことだけやる」と割り切ると取り組みやすくなります。 15分以上あるなら、座席の有無に合わせて2段階で使い分けることを検討してみてください。

④ 短時間の反復を積み重ねる

電車通学で意識してほしいのは、「まとまった勉強をしようとしない」ことです。 20〜30分の移動時間を使って新しい内容を理解しようとすると、うまくいかないことがほとんどです。

移動中の勉強は「すでに一度触れたことの復習」に向いています。 授業で出てきた英単語を確認する、昨日解いた問題の答えを思い出してみる。 こういった「思い出す練習」を短時間繰り返すことが、定着につながりやすいです。

一度触れた内容は、繰り返し思い出すことで記憶に残りやすくなります。 移動時間はその「思い出す」機会として使うのが、実態に合った活用法です。

両方に共通する「始め方の設計」

⑤ やることを1つだけ事前に決めておく

車送迎でも電車通学でも、共通して効果的なのが「移動が始まる前にやることを1つだけ決めておく」ことです。

何となく乗り込んでスマートフォンを開いてしまうと、気づいたら到着していることになります。 前の夜か当日の朝に「移動中にやること」を1つだけ書き出しておくと、迷わずに取り掛かれます。

  • 単語10個を確認する
  • 英語の音源を1回聞く
  • 暗記ノートの1ページを見返す

このくらいの分量で十分です。 あれもこれもと詰め込むと負担になり、続かなくなります。

また、移動中の勉強で「できた感」を積み上げることも大切です。 小さなことでも「今日も移動中にやった」という積み重ねが、学習への抵抗感を下げていきます。 これが、長い期間で見たときの差につながります。

まとめ

移動時間の勉強は、環境に合った方法を選ぶことから始まります。 車送迎なら音声学習と保護者との1問1答、電車通学なら区間ごとの使い分けと短時間反復が向いています。 どちらの場合も、「何をするかを事前に1つ決めておく」ことが継続につながる鍵です。


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STUDY ATHLETE 編集部
STUDY ATHLETE は学生アスリート専門のオンライン個別指導です。代表は早稲田大学教育学部卒業、大手予備校で500名以上の進路指導を経験。